日本国内法として、「生物多様性基本法案」が2008年5月20日に可決された。同法案は、人類存続の基盤である生物の多様性を将来にわたり確保するため、国、地方公共団体、事業者、国民の責務を明確にすることで環境保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものである。
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最大の特徴は、開発計画を立てる際に環境アセスメントを行うことを義務付けたことである。これまで、日本における大型開発などで環境が破壊されるたびに、開発推進派と環境保全派との激しい論戦が交わされてきた。同法案の成立によって、今後より適切な環境論議がなされるものと考えられている。
創始者効果(海洋の生物多様性研究への展開)
生物多様性の研究分野は、狭い対象に集中しており、開始した人々の興味分野、すなわち陸生動物について過度に定義されていると批評を受けてきた。この研究内容の偏りはノースとアイリッシュによって「創始者効果」と名づけられた。
フランスとリグは、1998年に生物多様性の文献を総括して、海洋の生態系の研究論文が不足していることを見出し[18] 、海洋の生物多様性研究を「手に負えない大問題」と呼んだ。接近しにくい深海領域よりも、サンゴ礁など接近しやすく多様な沿岸の系について、より多くの研究がなされてきた。今後、海洋環境保全は、生物海洋学の海洋生態系の分類と生物種データ収集に関する方法論的問題を解くのと同様に、新しくて国際的なメカニズムを開発しなければならない。
生物の大きさに関する偏り(微生物の多様性について)
生物多様性研究者ショーン・ネイは、地球上の生物多様性を構成している生物の大多数は微生物であり、現在の生物多様性の研究は物理的に「目に見える世界に固定されている」と指摘した(ネイは「目に見える」を「巨視的」の同義語として使っている)[19]。微生物は、多細胞生物と比較すると、代謝的にも環境的にも非常に多様である。「リボソームの小サブユニットRNAの解析に基づけば、生命は3系統に分岐しているが、見える生命はそれほど注目すべき分岐枝ではない」と、ネイは述べている。これは驚くにあたらない…というのは、「目に見える生物」が現れるまで、「目に見えない生物」(微生物)には、進化を進め多様化する20億年以上の時空間があったためである
しかしながら、これに対する反論として、生物多様性の保全として「排他的に目に見える種に焦点を合わせた」ことは決してないということが指摘できる。 当初から、生物群集や生態系の型の分類・保全は、生物多様性研究の主体であった。生物分類から漏れている「目に見えない多様性」は「目に見える多様性」と同様に扱うことができなかったが、この過去の多様性保全の思想から、生態系の多様性を維持する最善の手段をとってきている。したがって、過去の生物多様性の研究の成果は、生態系を構成している「目に見えない生物」の多様性も可能な限り維持してきたと言える。